日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年8月4日生産性の高い会議は開催目的の明確化が必須だ!

在宅勤務が普及しても相変わらず会議はなくなりません。むしろ、在宅勤務で顔を合わせる機会が少なくなった分、オンラインでミーティングをする機会などが増えているのではないでしょうか。日本の生産性を向上させるためには、会議の生産性を上げることが必要ですね。このブログでは過去にオンライン会議に関して、主に参加者が話す際に留意すべきことについて書いてきました。今回は会議を主催する側の留意点について書くことにします。

会議を主催する側が最も留意すべき点は何でしょうか? それは会議が終了した時に、何を達成したいのか、というゴールを設定することです。



そもそも会議は、組織として次のアクションを起こすために必要なことを決めたり共有したりするために開くものです。何事も考えて議論するだけでは何も生まれないし、何も達成できません。人も組織も行動することで成果や学びが得られます。しかし、組織的に動こうとするとどうしても関係者の合意が必要になります。主な関係者が目的や考えなどを共有していないと行動がバラバラになり、望む成果は得られません。会議は、その合意をするための手段なのです。

従って、次のアクションにつながらなければ会議をする意味がありません。よく「無駄な会議」という言葉を耳にしますが、無駄な会議とは次の行動につながらない会議です。

そして、次のアクションにつなげるためには、当然ながらその会議の目的が明確でなくてはなりません。
・何かを決める
・次のアクションに向けてお互いの情報を共有する
・商品やサービスのアイデアをできるだけ出す
・会社の方針を全国の支店に周知徹底させる
上に列挙したような目的を意識せずに行われている会議が驚くほど多いのが現実です。大まかな目的だけでもぜひ明確にしていただきたいと思います。それだけでも会議の質は格段によくなるはずです。

そして、会議が終わった時のより具体的なゴールイメージが設定できるとなおいいでしょう。
・会社として行う新たな施策の実施時期、担当部署、目標数値などを具体的に決める
・来週、進行中のプロジェクトについて誰が何をどれくらいするのかを決める
・次回の全社会議の開催テーマを決める
会議は1回だけで全てが決まる訳ではなく、数回の会議を重ねて徐々に物事を決めていくこともよくあります。そうした場合に今回の会議ではどこまで決めるのかを明確にしておくとより会議に集中することができるでしょう。

ところで、オンライン会議では特にこのゴールイメージの設定が重要です。というのは、オンライン会議はリアルの会議よりも参加者の集中力が続かないからです。オンライン会議では、参加者が「この会議、つまらないな。何のための会議かよくわからんし」と思うと、いくらでもサボれます。リアルの会議ではその場に他の参加者がいるのでサボり方も限られますが、オンラインではネットサーフィンしていてもわかりません。参加者の気持ちが離れると発言もなくなりますし、司会者が指名しても「特に意見はありません」と言っておけば済みます。

従って、オンライン会議では主催者のゴール設定と会議運営の巧拙がとても重要になります。これらができていないと会議時間は簡単に無駄な時間になってしまいます。この会議をファシリテートするスキルは、一朝一夕に身につくものではありませんので、常に意識しながら磨いていく必要があります。まずは会議のゴールを設定することから意識してみてください。
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